資金計画を考えよう! 諸費用も忘れずに

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住宅購入には多額の費用がかかりますから、資金計画を入念に練る必要があります。

 

住宅購入にいくらかかるのか、住宅購入までにいくら貯めればよいのか、住宅ローンやその他借り入れはどう考えればよいのか、一つずつ計画が必要です。

 

それにはまず、かかる総コストの把握をしたうえで自己資金と借入れについて考える必要があります。

物件価格以外に「諸費用」も計算しよう

資金計画を立てるうえでは、まず物件価格と自己資金を基に、住宅ローンとして借りるお金を計算することが多いかもしれません。しかし、住宅を購入するときに支払うお金として、「諸費用」を忘れてはいけません。

 

諸費用とは、物件価格以外にかかってくるコストの総称です。土地なら物件価格の3~7%、戸建て(新築・中古)では10~12%ほどとされています。物件の購入や建築・リフォームのために必要な工事費用や各種税金・手数料のことです。

 

主な諸費用

■新築建売住宅の場合

・所有権移転登記費用(名義変更) 約30~40万円

・固定資産税清算金 約3~8万円

・火災保険料 約5~30万円(契約年数・プランにより異なる)

・仲介手数料 約70~80万円 ※物件価格により異なる

・追加オプション工事費用 約50~100万円※工事内容により異なる

 

■中古住宅の場合の主な諸費用

・所有権移転登記費用(名義変更) 約20~30万円

・固定資産税清算金 約5~10万円

・火災保険料 約5~40万円(契約年数・プラン・建物面積により異なる)

・仲介手数料 約40~80万円 ※物件価格により異なる

・室内リフォーム工事費用 約100~400万円 ※工事内容・規模により異なる

 

意外と忘れがちですが、それ以外にも

・引越し費用

・ご近所あいさつ回りのための粗品代

・買い換える家具や電化製品

などの代金がかかることもあります。

 

「家を買ったら終わり」ではありません。冷静に考えると、長い生活の中で車の買い替えやお子様の学費(塾・習い事、進学)、住宅の修繕費などお金がかかります。そのあとの生活も視野に入れて予算をきちんと考えて物件探しをすることをお勧めします。

自己資金と住宅ローンの支払い

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住宅購入用の資金は、自己資金と住宅ローンに分けられます。自己資金は、頭金や前述の諸費用の支払いに充てられることが多いです。

 

頭金の金額は、住宅購入資金の2割程度が目安です。頭金が少なすぎると、あとで住宅ローンの負担が重くなります。逆に、多すぎた場合、当座の生活資金が苦しくなってしまう可能性があります。手持ちの資金のうち、どれくらい住宅購入に振り分けられるか前もって検討が必要でしょう。

 

仮に頭金を多めに支払ったとしても、住宅ローンの支払いで家計が「火の車」となる世帯も少なくありません。会社の倒産やリストラ、減給などの事情によって収入が激減するリスクもつきものです。あらかじめライフプランを立てて、教育資金や老後資金などが「いつ」「いくら」必要になるかを見積もりましょう。

 

自己資金だけで住宅を購入できればベストですが、実際はほとんどの世帯が住宅ローンを利用することになります。生活を過度に苦しくするほどの額を借りることは、避けるべきでしょう。

父母・祖父母からの資金援助は期待できるか?

住宅購入資金は自己資金と住宅ローンで賄うとお伝えしましたが、住宅ローン以外にも家族・親戚の資金援助が期待できる場合もあるのではないでしょうか。もし期待できるのであれば、ぜひ検討したいものです。

 

父母や祖父母からの資金援助の形態には、「贈与」「借入れ」「共有」の3種類があります。「贈与」とは、親から資金をもらうことです。年間110万円を超えると贈与税の対象になりますが、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税特例もありますので、適用できないかチェックしておきましょう。

 

次の「借入れ」とは、親から資金を借りることです。借りるだけなので贈与税はかからないのですが、税務署から「贈与したのを偽装しているだけではないか」と疑われてしまうケースもあります。親族間の取り決めであっても、契約書(借用書)を作成するとともに返済実績を残しておきましょう。

 

「共有」とは、父母や祖父母と自分たちが共同でお金を出し、不動産の共有登記を行うことです。購入する住宅の名義を共有にすることで、贈与でも借金でもないとアピールするわけです。この場合は贈与税の支払いや借金返済の義務が生じませんが、共同保有する父母や祖父母にも税金(不動産取得税や固定資産税)がかかります。また、保有者が亡くなったあとは住宅を相続する形になることがほとんどだと思いますので、相続税にも注意が必要です。